2011年10月27日

What's New?/Helen Merrill

【ヘレン・メリル について】 Helen Merrill
1929年ニューヨーク生まれですが、両親はユーゴスラビア人。子供の時から歌が好きで15歳の時にはニューヨークのクラブで歌っていたそうです。

レギー・チャイルド楽団、アール・ハインズ楽団を経て54年マーキュリーレコードの専属歌手になり、同年12月、クリフォード・ブラウンと共演したあの「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」を録音。一躍有名な新進女性ジャズ歌手として注目を浴びます。

なかでも同盤に収録された『ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ』(作詞・作曲コール・ポーター)は、メリルの代表的なレパートリーとなりました。

 helen merrill [Import, From US] / Helen Merrill (CD - 1989)

47年にクラリネットのアーロン・サックスと17歳で結婚しますが57年に別れ、その後UPI通信社のアジア総局長ドナルド・ブライドンと結婚。

それを機に日本に移住し、以後、渡辺貞夫や佐藤允彦、菊地雅章などと共演、アルバムの制作もしています。

その後ブライドンと離婚し、1972年にはアメリカに帰国して活動を停止しますが、1976年にはジョン・ルイスとの共演盤『ジャンゴ』を発表し、活動を再開しました。

親日家であり、活動再開後は数多く来日、ライブ・コンサート活動をしています。





☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


ヘレン・メリル以外の演奏・歌を聴きたい場合は、最下部の<他のアーティストを見る>をクリックすると他のアーティストの動画をご覧いただけます。

【What's new? について】
デキシー・スイングのベース奏者ボブ・ハガートが作曲、後からジョニー・バークが歌詞を付けています。ボブ・ハガートはビング・クロスビーの弟ボブ・クロスビーのバンドで長年ベースを弾いており、デキシーを中心に作曲や編曲も手掛けていたようです。この曲はバラードの素材として広く歌われ、演奏されています。ヘレンの神秘的なまでの哀切感とクリフォード・ブラウンのペーソスにあふれたトランペット・ソロがとけ合った絶妙なバラードとして有名です。

What's new?
How is the world treating you?

You haven't changed a bit,
Lovely as ever, I must admit...

What's new?
How did that romance come through?

We haven't met since then
Gee but it's nice to see you again

-----------------------------------

お変わりなくて?
今どうしていらっしゃるの?

あなた、ちっとも変わってないわ。
相変わらず素敵ね。

お変わりなくて?
その後、あの方とは?

あの時以来ね、私たち。
でも、またお目にかかれて嬉しいわ。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

【この曲が聴けるアルバム】

ジョン・コルトレーン『バラード』
Ballads [Original recording remastered, Import, From US] / John Coltrane, Elvin Jones, Jimmy Garrison, Reggie Workman, McCoy Tyner (CD - 1995)


『ハーフノートのウェス・モンゴメリーとウィントン・ケリー・トリオ』
Smokin at the Half Note [Import, From US, Live] / Wynton Kelly (CD - 1989)


ビル・エヴァンス・ウイズ・ジェレミー・スタイグ『ホワッツ・ニュー』
ホワッツ・ニュー / ビル・エヴァンス, ジェレミー・スタイグ, エディ・ゴメス, マーティ・モレル (演奏) (CD - 2011)


ペギー・リー『ドリーム・ストリート』
Dream Street / Hallmark


【フランク・シナトラ】
Only the Lonely [Original recording remastered, Import, From US] / Frank Sinatra (CD - 1998)


【エラ・フィッツジェラルド】
Like Someone in Love [Import, From US] / Ella Fitzgerald (CD - 1991)


『クリフォード・ブラウン・ウイズ・ストリングス』
クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングス / クリフォード・ブラウン, リッチー・パウエル, バリー・ガルブレイス, ジョージ・モロウ, マックス・ローチ (演奏) (CD - 2003)


【スタン・ゲッツ】
スタン・ゲッツ・クァルテッツ [Limited Edition] / スタン・ゲッツ (CD - 2010)


J.J ジョンソン『ブルー・トロンボーン』
BLUE TROMBONE [CD, Import, From US] / J.J.JOHNSON QUARTET (CD - 2009)

>> 他のアーティストを見る
posted by jazzinn5 at 21:08| Comment(2) | TrackBack(0) | What's New? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月10日

ビル・エヴァンスのWaltz For Debby

1956年、ピアニストのビル・エヴァンスが兄の娘デビー(当時2歳)のために書いたワルツの名曲。初リーダー作『ニュー・ジャズ・コンセプションズ』でまず取り上げ、1961年にヴィレッジ・ヴァンガードでの決定的バージョン『ワルツ・フォー・デビー』が生まれました。ジャズというジャンルに囚われずに美しい音を楽しむという意味でも "いい曲" だと思います。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★



このアルバムを愛聴盤にしている人もとても多いようです。最初の『マイ・フーリッシュ・ハート』がまたしっとりとしたいい曲で、その後にこの曲が続くので、このアルバムの第2楽章のようなイメージがあります。

またこのジャケットがいいんだなあ。
このちょっとぼかしのかかった黒いシルエット。ピンクがかったバックと周りの黒の対比もイケてます。センスがいいジャケットで、多分名盤紹介などでは必ず出てくるのではないでしょうか。

ワルツ・フォー・デビイ+4 / ビル・エヴァンス, スコット・ラファロ, ポール・モチアン (演奏) (CD - 2007)

もうだいぶ前になりますが、邦画の『大停電の夜に』という映画を観ました。その時、映画の中ではずっと『マイ・フーリッシュ・ハート』が流れていましたが、最後のキャスト紹介の字が流れるスクリーンにはこのジャケットをベースにした配役のシルエットが映し出されていました。ストーリーはよく憶えていないのに、ラストのこのジャケットは何故かはっきりと記憶に残っています。


この曲、ボーカルでも取り上げられているんですね。作詞家のジーン・リースが詞をつけ、スエーデン歌手モニカ・セッテルンドが1965年、ビル・エヴァンスの伴奏で『モニカのワルツ』としてレコーディングしています。サラ・ボーン、トニー・ベネットもこの曲を取り上げています。

In her own sweet world
Populated by dolls and clowns
And a prince and a big purple bear.

Lives my favorite girl,
Unaware of the worried frowns
That we weary grown-ups all wear.

In the sun, she dances to silent music,
Songs that are spun of gold
Somewhere in her own little head.

One day, all too soon
She'll grow up and she'll leave her dolls
And her prince and that silly old bear.

When she goes they will cry
As she whispers "Good-bye."
They will miss her, I fear,
But then so will I.


【トニー・ベネット&ビル・エヴァンス】




posted by jazzinn5 at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日のお気に入り曲♪ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする