何とも懐かしい曲に出会いました。
学生時代に買ったクインシーの「The birth of a band」というアルバム、まだ覚えています。『I Remember Clifford』が聴きたくて買ったアルバムでした。何度も聴きましたが、クインシー・ジョーンズ楽団の映像を見たことはありませんでした。なのでこの動画を見つけて、ちょっと嬉しくなりました。という訳で今日のお気に入りです。クラーク・テリーのソロが聴けるのもうれしい限りです。
このアルバムは1959年の秋、ヨーロッパに演奏旅行に行く直前に吹き込まれたもので、この動画はその後の演奏のようです。多少メンバーも変わっているようで、女性のトロンボーン奏者がアップで写っています(2:31)が、メルバ・リストンのようです。ベイシーやガレスピーの楽団でも録音に参加した中堅プレイヤー兼アレンジャーです。
40年程前に買った「the birth of a band」のジャケット。もう古くなって裏は黄ばんでいますがとりあえず撮ってみました。A面の2曲目にこの曲が収められています。
このアルバムのライナー・ノーツは瀬川昌久氏が書いており、Moarnin’では以下のように書かれていました。
「誰一人として知らぬ人のないボビー・ティモンズ作のファンキー代表作。アート・ブレーキーとジャズ・メッセンジャーズの演奏スタイルを巧みにビッグ・バンド用に拡大している。ソロはクラーク・テリーのフリューゲル・ホーン。」
またクインシー・ジョーンズについては、
「ジャズ界の生んだ最も才能のあるアレンジャーの一人、クインシー・ジョーンズが、1959年末に結成したビッグ・バンドは約2年間しか続かなかったが、モダン・ビッグ・バンド・ジャズの歴史に於いて、最も輝かしい演奏を残したバンドとして特筆されるべきものがあった。それは1933年生まれの天才児クインシーが、ジャズ・コンポーザーとしての26年間の成果の全てを賭けて、自らの理想を実現しようとしたオール・スター・バンドであった。そのバンドのサウンドは、当時マーキュリーに吹き込まれた4枚のLPに残されたにすぎないが、若い日のクインシーのひたむきな情熱と、彼の理想に共鳴して集った一流奏者達の一体となったグループ意識に支えられて、素晴らしく調和のあるアンサンブルと、熱気をはらんだアドリブ・ソロを発散させたモダン・オーケストラであった。恐らく恒久的バンドとして、これだけの腕達者のモダン・ソロイストを集めることの出来たのは、このクインシーの率いるバンドを以て最後とするのではあるまいか。」
この曲については本館の「Midnight Jazz Report」に載せていますので、よろしければご覧ください。http://www.geocities.jp/jazzinn5/moanin.html
【ローダ・スコット】
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