2011年05月21日

Bigin The Beguine/Artie Shaw

【アーティー・ショウ】
1910年ニューヨークに生まれ。ハイスクールでサックスを習いクラリネットに転向。16歳からはプロとしてバンドに入り、ツアーを続けました。

30年代中盤には自らのバンドを率いて、Begin the Beguine、Stardustなどのヒットを生み、40年代にはトップ・スターとしてグッドマンのKing of Swingに対してKing of Clarinetと称されました。

自身のバンドには常に最高のミュージシャンたち、例えばバディ・リッチやビリー・バタフィールド、そしてズート・シムズなどを集め、黒人女性のビリー・ホリデイを専属歌手として初めて起用したことでも有名です。

しかしショウはその創造力がまだピークにある55年、スペインに移住し、音楽界から引退してしまいます。そして、そのことを誰より残念がっていたのは彼の一番のライバルであり、同じく情熱的なクラリネット奏者のベニー・グッドマンでした。

60年帰米後はコネチカット州に住み、小説等を書いて過ごしました。エピック、ビクター、デッカ等のレーベルに作品が残されています。2004年12月30日カリフォルニア州ロサンゼルスの自宅(サウザンド・オーク)で死去。 
(『goo 音楽』などより)


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【Bigin The Beguine について】
1935年、コール・ポーターがミュージカル「ジュビリー」のために作詞・作曲。当時はそれほど注目されなかったようですが、1938年にクラリネットのアーティ・ショウがRCAビクターから出した『インディアン・ラブ・コール』の裏面に入れられてからは俄然注目を浴びるようになり、インストとして200万枚という記録的な売上となりました。

さらには映画、『Broadway Melody of 1940』と『Night and Day』にも使われるなどして、以後F・シナトラ、ペリー・コモ、アン・マーグレットほか数え切れないくらいのアーティストにカバーされスタンダード中のスタンダードとなりました。トランペット・ボイスと言われるジョー・スタッフォードもこの歌を歌っています。

もともとビギンというのは、カリブ海の南米ベネゼラとプエルト・リコの間に位置するフランス領西インド諸島(マルティーニク島、グアドループ島、セントルシア島など)に起こったダンスのリズムのことですが、それが1930年代にヨーロッパ、アメリカに紹介されてポップ化されていったようです。ポーターもこのビギンのリズムを聴いて自分なりに解釈し、この曲を作ったといわれています。

そういえばこのビギン、トロピカルなムードがあっておおらかなリズムは、ハワイアンにも通じるところがあるような気がしますが、こちらの方が歯切れがあって加工しやすい分だけスタンダードとして受け入れやすかったのかも知れませんね。


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When they bigin the beguine
It brings backs the sound of music so tender
It brings back a night of tropical spendour
It brings back a memory ever green

I'm with with you once more under stars
And down by the shore an orchestra's playing
And even the palms seem to be swaying
When they begin the beguine

To live it again is past all endeavour
Except when that tune clutches my heart
And there we are swearing to love forever
And promising never, never to part

What moments divine, what rapture serene,
Till clouds came along to disperse the joys we had tasted,

And now when I hear people curse the chance that was wasted,
I know but too well what they mean;

So don’t let them begin the beguine
Let the love that was once a fire remain an ember;
Let it sleep like the dead desire I only remember
When they begin the beguine.

Oh yes, let them begin the beguine, make them play
Till the stars that were there before return above you,
Till you whisper to me once more,
"Darling, I love you!"

And we suddenly know what heaven we’re in,
When they begin the beguine
When they begin the beguine

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ところでこのコール・ポーターという作曲家ですが、もともとエリートの家系だったようで、初めは本人の希望とは異なるハーバード大学に入学、法律を学びますが、彼の関心はもっぱら音楽にあり、結局エール大学に転入、音楽を学ぶことになります。

そのエール大学在籍中、既に300曲もの作曲をしていたそうです。しかし彼の人となりについては、結構つかみどころがない人のようで、いろいろなデマ、ゴシップも数多くあり、複雑怪奇な人間というのが一般的な評価のようです。

しかし、『All Of You』、『You'd Be So Nice to Come Home To』、『Just One Of Those Things』、『Love For Sale 』、『My Heart Belongs To Daddy』、『Night And Day 』、『Anything Goes』などのスタンダード曲がみんな彼の作品であることを考えると、大変な才能を持った人であることは間違いないようです。
『Midnight Jazz Report』 より






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【この曲が聴けるアルバム】

 Begin the Beguine [Import, From US] / Artie Shaw (CD - 2003)


 Begin the Beguine [Import, From US] / Artie Shaw (CD - 1991)


 Modern Art [Import, From US] / Art Pepper (CD - 1991)


 Ella Fitzgerald Sings The Cole Porter Songbook [Import, From US] / Ella Fitzgerald (CD - 1997)


 フィエスタ / チャーリー・パーカー, テディ・コティック, ウォルター・ビショップ, ロイ・ヘインズ, マックス・ローチ, ホセ・マンガル, ルイ・ミランダ (演奏) (CD - 1999)


 Live at Town Hall Vol 1 [Import, From US] / Jim Hall (CD - 1992)


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posted by jazzinn5 at 23:02| Comment(0) | TrackBack(0) | Bigin The Beguine | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする