2010年05月09日

Body and Soul/Benny Goodman

【ベニー・グッドマン】 Benny Goodman
本名:ベンジャミン・デイヴィッド・グッドマン(Benjamin David Goodman)
1909年5月30日〜1986年6月13日
クラリネット奏者、バンドリーダー。スウィング・ジャズの代表的存在として知られています。

縫製職人の家の九男として、シカゴに生まれました。貧しいロシア系ユダヤ移民の家庭に育ち、教育は「ハル・ハウス」という福祉施設で受けています。無料で学べる地元の音楽教室で10歳の頃からシカゴ音楽大学の元教師・フランツシェップ氏の下でクラリネットを習得、11歳のときにデビューしました。

1923年にコルネット奏者のビックス・バイダーベック(Bix Beiderbecke)と共演し、1925年にベン・ポラック楽団(the Ben Pollack Orchestra)に参加。1928年には本拠地をニューヨークへ移し、翌1929年には楽団から離れてソロ活動を始めます。

1932年には自ら楽団を結成し、NBCラジオに定期的に出演します。1935年のロサンゼルスの有名なダンスホールであるパロマーボールルーム(Palomar Ballroom)での大成功をきっかけに全米にわたる人気を獲得し、1938年にはカーネギー・ホールで最初のジャズコンサートを行うまでになり、スウィングの王様(King of Swing)の名声を欲しいままにするに至りました。

またグッドマンは人種差別が激しかった当時、テディ・ウィルソン、ライオネル・ハンプトンをはじめとする黒人ミュージシャンを積極的に雇った最初の人物として数多く賞賛されています。

ビッグ・バンドのベニー・グッドマン楽団を率いた他、トリオ、カルテット、セクステットといった小編成でも演奏活動を行いました。

1955年には前半生を描いた映画『ベニー・グッドマン物語』が公開されました。主演は、グッドマンのそっくりさんとして知られたテレビ司会者スティーヴ・アレンです。ジーン・クルーパ、ハリー・ジェイムス、ライオネル・ハンプトン等有名ミュージシャンたちが共演しています。サウンドトラックはベニー・グッドマン楽団が制作してデッカ・レコードから発売されましたが、グッドマンはこの時の演奏に不満を持ち、キャピトル・レコードから全く同じ選曲のアルバム『ベニー・グッドマン物語』を発表しました。

代表曲に、力強いドラムから始まる『シング・シング・シング』(Sing Sing Sing )などがあります。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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【Body and Soul について】
1930年のレビュー『Three's a crowd(三人一群れ)』のなかで使われたナンバーでリビィ・ホルマンが歌いヒットしました。映画 『ザ・マン・アイ・ラブ』(46年)、『ボディ・アンド・ソウル』(47年)でも使われました。

作詞はロバート・サウア、エドワード・ヘイマン、フランク・アイトンの共作で、作曲はジョン・グリーンです。ジョンはガートルード・ローレンスの伴奏ピアニストを勤めていたことがありましたが、その頃彼女の為にこの曲を作りました。曲が出来てすぐの頃、彼女はロンドンへ渡り、BBC放送でこの曲を歌って注目を浴びます。

それに目を付けたのがブロードウェイの辣腕プロデューサー、マックス・ゴードン。アメリカでの権利を買い、彼のレビュー『Three's a croud』の中に入れます。そして歌ったのがリビィ・ホルマンで、予想通りのヒットとなりましたした。

史上最も美しいバラードと言われた曲で、数多くのミュージシャンが取上げています。極めつきとして名高いコールマン・ホーキンスをはじめ、ルイ・アームストロング、グレン・ミラー、アート・テイタム、バド・パウエル、セロニアス・モンク、ジョン・コルトレーン、ジェリー・マリガン、チャーリー・ミンガス、ビル・エバンス、アート・ペッパー、スタン・ゲッツなどなど、名演は枚挙にいとまがありません。

ボーカルではビリー・ホリデー、アニタ・オデイ、ビリー・エクスタイン、エラ・フィッツジェラルド、メル・トーメ、ぺりー・コモ、サラ・ボーン、カーメン・マクレイなどこれまた数多くの歌手に歌われ、スタンダード中のスタンダードになりました。

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この曲はバラードではありますが、いわゆるラブ・ソングとはちょっと違った、トーチ・ソング<torch song>と言われています。つまり失恋や片思いといった心の痛みをテーマにした歌ということで、ラブ・ソングの範疇の中では影の部分にスポットを当てています。

  My heart is sad and lonely
  For you I sigh for you dear only
  Why haven't you seen it
  I'm all for you, body and soul

  I spend my days in longing
  And wondering why it's me you're wronging
  I tell you I mean it
  I'm all for you, body and soul


  私の心は悲しみと寂しさでいっぱい
  ため息が出るほどあなたが欲しい
  どうして分かってくれないの
  私はすべてあなたのもの
  身も心も

と辛い心のうちを切々と訴えています。何となく演歌のジャズ版みたいな感じがしますが、日本の演歌ほどウェットではないような気もします。むしろ重い中身の詩を洗練されたメロディーに乗せることであっさり仕上げの心地よい仕上がりになっているのは、例えば『Blue and Sentimental』などの曲と共通するものがあるように思われます。

それにしてもこの曲、もともとこういう素材だからでしょうか、歌い手の解釈の自由度が大きい曲のように思われます。つまり歌手によってその歌手の解釈、好みで歌詞がずいぶん変わってしまっているのです。

歌詞の多少の違いは多くの曲で見られますが、この曲ほど大胆に?違っているのは珍しいかも知れません。多くの歌手に歌い継がれることによってさまざまなバージョンが存在するのもこの曲の特徴かも知れません。




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【この曲が聴けるアルバム】

Body and Soul

Body and Soul

  • アーティスト: ビリー・ホリデイ
  • 出版社/メーカー: Verve
  • 発売日: 2002/03/12
  • メディア: CD




Coltrane's Sound

Coltrane's Sound

  • アーティスト: ジョン・コルトレーン
  • 出版社/メーカー: Wea Japan
  • 発売日: 1988/08/25
  • メディア: CD




Gerry Mulligan and the Concert Jazz Band at the Village Vanguard

Gerry Mulligan and the Concert Jazz Band at the Village Vanguard

  • アーティスト: ジェリー・マリガン
  • 出版社/メーカー: Verve
  • 発売日: 2002/05/07
  • メディア: CD




Jazz Giant

Jazz Giant

  • アーティスト: バド・パウエル
  • 出版社/メーカー: Verve
  • 発売日: 2001/02/06
  • メディア: CD




スタン・ゲッツ・プレイズ+1

スタン・ゲッツ・プレイズ+1

  • アーティスト: スタン・ゲッツ,デューク・ジョーダン,ジミー・レイニー,ビル・クロウ,フランク・イソーラ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2003/04/23
  • メディア: CD




Torch

Torch

  • アーティスト: カーリー・サイモン
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 2008/07/15
  • メディア: CD




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posted by jazzinn5 at 15:29| Comment(0) | TrackBack(0) | Body and Soul | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする