本名 ウィリアム・ジョン・エヴァンス(William John Evans)
1929年8月16日〜1980年9月15日
アメリカのジャズ・ピアニスト。ニュージャージー州出身。
ドビュッシー、ラベルなどのクラシックに影響を受けた印象主義的な和音、スタンダード楽曲を題材とした創意に富んだアレンジと優美なピアノ・タッチ、いち早く取り入れたインター・プレイ、といった演奏は、ハービー・ハンコック、チック・コリア、キース・ジャレットなど多くのピアニストたちに多大な影響を与えたほか、ジョン・マクラフリンといった他楽器のプレイヤーにも影響を与えています。
エヴァンスのアルバムには駄作が一枚も無いと評されることもあるほど、質の高い録音が多いと言われています。中でもベースのスコット・ラファロと録音した諸作品(特にアルバム「ワルツ・フォー・デビー」)は、ジャズを代表する傑作としてジャズファン以外にも幅広い人気を得ています。
『ウィキペディア(Wikipedia)』 より
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【Come Rain Or Come Shine について】
ジョニー・マーサー作詞、ハロルド・アーレン作曲による1946年の作品。ミュージカル「セントルイス・ウーマン」に挿入された曲ですが、ミュージカルは失敗作に終わり、この曲だけがスタンダードとして残りました。
アーレンは映画やショー、ミュージカルの作曲まで手がけるアメリカを代表するコンポーザーの一人です。『Its’s only a paper moon』 『Let's fall in love』 『Over the rainbow』などの作品が有名ですが、ジョニー・マーサーとのコンビではこの曲の他に『That old black magic』 『Blues in the night』などがあります。
この曲のボーカルでは何といってもサラ・ボーンがいいです。しっとりと情感豊かに歌い上げるテクニックはサラならではのもの。チェット・ベイカーもあの甘くて気だるい声でこの曲を彼独特のカラーに染め上げています。
他にもビリー・ホリデーやクリス・コナー、ローズマリー・クルーニー、フランク・シナトラなど多くの歌手が歌っていますが、ヨーロッパ出身のアン・バートン、モニカ・セッテルンド、カーリン・クローグなどのボーカルも定評があります。特にモニカはビル・エバンスとの共演盤が有名です。
インストではこのビル・エバンスのほか、アート・ブレイキー、ソニー・クラーク、アート・ペッパー、ウイントン・ケリー、ウエス・モンゴメリーはじめまだまだ多くのアーティストが取上げています。
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I'm gonna love you, like nobody's loved you
Come rain or come shine
High as a mountain and deep as a river
Come rain or come shine
この『Come rain or come shine』は曲のタイトルとしては珍しい命令形になっていて、直訳すると「雨でも晴れでも(来るなら)来い」と言っています。ラブ・バラードなのにそんな「矢でも鉄砲でも持って来い」なんて言い方はちょっと似合わないのでは、などと思ってはいけません。
「私は今までの誰よりもあなたを愛したい。山のように高く、河のように深く、たとえ雨が降ろうと、陽が照ろうと」と歌っているのですからバリバリのラブ・バラードです。(笑)
この部分が誕生した時のエピソードがあります。作詞家のマーサーは詩を作る時はいつも一人になってするそうなのですが、このアーレンだけは特別で、この時もアーレンの部屋で彼のピアノに耳を傾けながらソファーで歌詞を考えていたそうです。
マーサーは「I'm gonna love you, like nobody's loved you」と歌いましたが次が出てきません。するとアーレンがピアノを弾きながらふざけて「Come hell or high water」(地獄でも高波でもやって来い)と続けると、マーサーは「なんだ、どうしてそれを思いつかなかったんだろう。Come rain or come shine だよ!」と言ってこの曲が出来上がったそうです。
いつもはアーレンが書いた楽譜を家に持って帰って次の日に仕上げるというパターンだったのに、このときばかりはその日のうちに曲が完成してしまったという話です。
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