本名 エラ・ジェーン・フィッツジェラルド (Ella Jane Fitzgerald)
1918年4月25日〜1996年6月15日
アメリカ合衆国のジャズ・シンガー。サラ・ヴォーン、ビリー・ホリデイと並び称される女性トップ・ジャズ・ボーカリストの一人。
1918年バージニア州生まれ。34年にアマチュア・コンテストで優勝しチック・ウェッブ楽団の専属シンガーとなります。ウェッブの死後楽団のリーダーも勤めましたが、ソロとして独立し48年以降ノーマン・グランツのJATPコンサートに参加して実力を発揮、大きな評価を得ました。
52〜71年のダウンビート誌の批評家投票で連続1位を獲得するなど人気も絶大なものがありました。50年以上にわたりジャズ界に君臨してきた、まさにファースト・レディと呼ぶに相応しい人物でしょう。声や曲の解釈、独創性、テクニック、スイング感のいずれをとってもNo.1と呼べる巨人でもあります。バップ・スキャットを取り入れてバラード唱法を確立、ジャズ・ヴォーカルの表現の領域を拡大した功績も大きいものがあります。
「歌うことより良い事は、もっと歌う事だ」というのが彼女のモットーであった事は有名です。86年から引退生活に入り、93年に糖尿病の合併症のため両足の切断手術を受けています。1996年6月15日カリフォルニア州ビバリ-ヒルズの自宅で死去しました。
『OOPS! Music Community』 より
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【April in Paris について】
E.Y.ハーバーグ作詞,ヴァーノン・デューク作曲による1932年の作品です。
同年のレビュー『Walk A Little Faster』 のために書かれた曲ですが、当時はヒットしませんでした。少しあとで、ブルース歌手の マリアン・チェイス(Marian Chase)がクラブで歌い、ヒットして有名になりました。
作詞を担当したハーバーグは当時まだパリに行ったことがなく、そのためパリに詳しいデュークが先に曲を作り、それを聴いてパリを想像しながら歌詞を書いたというエピソードが残されています。
しかし、この曲を有名にしたのは何といってもカウント・ベイシー楽団の演奏によるところが大きいようです。エンディングの部分を3回も繰り返すアレンジは、ビッグバンドならではの迫力で否が応でも盛り上がりますし、これだけでこの曲の魅力を発揮する効果は絶大と言ってもいいと思います。
ビリー・ホリデイ、サラ・ボーン、フランク・シナトラ、エラ・フィッツジェラルド、ジューン・クリスティなど多くの歌手が歌っていますが、演奏ではベイシーのほか、チャーリー・パーカー、バド・パウエル、セロニアスモンク、コールマン・ホーキンス、ウイントン・マルサリスなど、やはり多くのアーティストが取り上げています。
ベーシー楽団では50年代にメンバーを再編成し、サド・ジョーンズ(tp)、フランク・フォスター(ts)、フレディ・グリーン(g)などソリストとしても優秀なアーティストが多勢集まって贅沢なアンサンブルを聞かせています。この曲ではサド・ジョーンズのトランペット・ソロが有名です。
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【この曲が聴けるアルバム】
- アーティスト: クリフォード・ブラウン,ハービー・マン,ポール・クイニシェット,ジミー・ジョーンズ,ジョー・ベンジャミン,ロイ・ヘインズ
- 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1997/10/08
- メディア: CD
Penthouse Serenade/The Piano Style of Nat King Cole (Nat King Cole/Collector's Choice)
- アーティスト: ナットキング・コール
- 出版社/メーカー: Collector's Choice
- 発売日: 2007/08/10
- メディア: CD
Basie Is Back: Recorded Live in Japan
- アーティスト: カウント・ベイシー
- 出版社/メーカー: Concord Records
- 発売日: 2007/03/27
- メディア: CD
THE BUDDY COLE AND NELSON RIDDLE SE
- アーティスト: ローズマリー・クルーニー
- 出版社/メーカー: LONEHILLJAZZ
- 発売日: 2009/05/17
- メディア: CD
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