2012年06月11日

デューク・エリントンのSophisticated Lady

さて、今日のお気に入り曲も昨日と同じように、このサイトの本館<Midnight Jazz Report>トップページで取り上げたBGMの中からです。

6年半ほど前に2週間だけ流した曲で、クリフ・ジョーダンの『Sophisticated Lady』です。ところが残念なことにクリフ・ジョーダンの動画は「特定のサイトでの再生が制限されています」とのことで再生できません。

そこで本家であるデューク・エリントン楽団に登場いただくことにしました。ソロを取っているのはバリトンのハリー・カーネイです。

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  They say into your early life romance came
  And in this heart of yours burned a flame
  A flame that flickered one day and died away
  Then with disillusion deep in your eyes
  You learned that fools in love soon grow wise
  The years have changed you somehow; I see you now

  Smoking, drinking, never thinking of tomorrow, nonchalant
  Diamonds shining, dancing, dining with some man in a restaurant
  Is that all you really want?

  No, sophisticated lady,I know
  you miss the love you lost long ago
  And when nobody is nigh you cry

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この曲は、1933年にデューク・エリントンが作曲し、『Moonlight Serenade』や『Star Dust』の作詞者ミッチェル・パリッシュが後から詞を付けています。クレジット的にはアービン・ミルズの名前も作詞者として入っていますが、実際には楽譜出版社を経営するミルズがパリッシュの詞に目を付けて自社に持ち込んだ、というのが真相のようです。

ビリー・エクスタイン、ビリー・ホリデー、サラ・ボーン、ローズマリー・クルーニー、エラ・フィッツジェラルド、アニタ・オデイ、ナンシー・ウィルソン、キャロル・スローンなど多くの歌手が歌っています。ジョニー・ホッジスのアルトも痺れますね。

それにしてもずいぶん昔の曲なのに、どうしてこう洗練されたメロディーなんでしょうね。もともとこの曲、エリントンが通った学校の女性教師をイメージして作った曲だそうです。



【ローズマリー・クルーニー】






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2012年06月10日

カウント・ベイシーの blue and sentimental

今日のこの曲は本館の<Midnight Jazz Report>でも取り上げています。
(そちらにはこの曲がお気に入りになった経緯についても書いてあります)

一度メル・トーメのボーカルを<Midnight Jazz Report>のトップ・ページのBGMにしたこともあるので、そのような曲はこちらの「今日のお気に入り曲♪」に載せることにしました。

これからしばらくはそのようにしていこうかなと思っています。


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Blue and sentimental, my dreams are blue dreams
Just won't come true dreams, I find
Blue and sentimental, I can't forget you
My heart won't let you out of my mind

It rains all the time since you said goodbye
The skies and my eyes and my heart all cry

Blue and sentimental, if you don't want me
Why do you haunt me and keep me feeling
Blue and sentimental


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1938年の作品で、カウント・ベイシーとジェリー・リヴィングストンがインスト用に作曲し、9年後の1947年にマック・デヴィッドが作詞しています。この曲は特に映画やミュージカルから生まれた曲ではありませんが、当時のベイシー楽団のメンバー、ハーシャル・エバンスのテナーをフィーチャーしてヒットし、スタンダードになりました。

ハーシャル・エバンスはレスター・ヤングと並ぶベイシー楽団のスター・テナー奏者で、男性的で力強い演奏が魅力です。この時レスターはクラリネットでソロを取っていますが、この演奏が彼の初のクラリネット録音であるとされています。

ジェリー・リヴィングストンは1909年、デンバー生まれ。1932年にニューヨークに出てバンドのピアニストとなり、一時は自分のバンドを持つまでになりますが長続きせず解散。その後は作曲活動に専念し、楽譜出版社を作るまでになりました。

作詞のマック・デヴィッドはバカラックとのコンビで有名なハル・デヴィッドのお兄さん。1950年の映画「シンデレラ」であの有名な『ビビディ・バビディ・ブー』の作詞をしたり、どちらかというと映画の中の作品が多いようです。


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カウント・ベイシーの演奏はゆっくりしたテンポで、所謂”聴かせる曲”となっています。しかしベーシーに限らず、この曲に限ってはテナー・ソロでメロディーというのが一番オーソドックスのような気がします。アイク・ケベック、ドン・バイアス、イリノイ・ジャケイといった渋いテナー奏者が朗々と吹いていますが、まさにテナーのための教則本のような、これほどテナーにピッタリの曲はないのではないかと思うくらいです。

かと思えばフィル・ウッズはアルトをクラリネットに持ち替えてこの曲を取り上げています。クラで聴いてもまた違った味わいがあって、これがまた実にいい。何となく『Memories of you』の胸がキュンとなる感じを思い出してしまいます。

その他、ピアノのエリス・ラーキンス、エロル・ガーナー、ビッグ・バンドではベイシーのほかトミー・ドーシー、ベニー・グッドマンなどの演奏があります。ボーカルではジャズ・コーラスの草分け的な存在であるミルス・ブラザースがベイシー楽団の伴奏で歌っているのが有名です。他にはラーリーン・ハンター、ナットキング・コール、トニー・ベネット、メル・トーメ、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ボーンなどが歌っていますが、いずれもビッグバンドをバックに歌っているものが多いようです。



 


posted by jazzinn5 at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日のお気に入り曲♪ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする